任意売却とは

住宅ローンなど金融機関から融資を受け不動産を購入し、毎月の住宅ローンが払えなくなってしまった場合、融資を受けた金融機関との合意に基づいて、不動産の売却を行う手続きの事を「任意売却」または「任意売買」と言います。

住宅ローン残債を補うために自宅を売却することを考える方も多くいると思います。しかし、所有している不動産を売却する際は、不動産に設定された抵当権を外すためにローンを全額返済する必要があります。住宅ローンを完済している場合は問題ありません。

ポイントとしては完済した状態でないと住宅を売却できないのではなく、不動産物件の引き渡すまでに完済できていれば良いのです。つまり不動産売却金額を住宅ローンの返済に当てることができるのです。しかし、不動産売却金額が住宅ローンの残債を下回る場合には不足分を自己資金から出す必要があります。また、不動産売却には数十万円から100万円程度の手数料などが発生することも考えておく必要があります。

何らかの事情により住宅ローンを継続的に払えなくなると、住宅ローンを融資している金融機関は融資金額を回収するために裁判所を通じて強制的に債務者の土地や住まいなどを売り、その売却代金で未回収の住宅ローン債権を補填する「競売」の手続きを行います。
しかし、競売の場合、物件の売り出し価格は市場価格よりも2～3割低い価格になることが多いと言われていますので不動産が競売にかけられた場合は住宅ローンの残債がゼロになる可能性は少ないでしょう。

競売で安い金額にて売却されることを避けるため、専門の仲介者が債務者と金融機関の間に入り、なるべく両者に満足が得られる価格で不動産物件の売買を成立させるために「任意売却」を行います。

債権者との交渉が必要になります

常の不動産売却では、不動産売却時に住宅ローンの残債を一括で返済してしまうため、債権者である金融機関の同意が不要となり交渉する必要はありません。

しかし、不動産売却代金で住宅ローンの残債を全額払うことが出来ない任意売却の場合は売却代金や返済する金額について、予め債権者の同意を得る必要があります。また、不動産売却に必要な経費や諸費用や引越し代の交渉を行なう必要があり、これらの交渉には、予備交渉、本交渉、確定報告が必要となります。とても複雑な交渉となりますので債務者自身が行なう場合、かなりの専門知識や経験が必要となり現実的ではないでしょう。

任意売却会社によっては、依頼しても交渉は自分でするように言われる場合もあるようです。任意売却を依頼する場合、債権者との交渉は誰がやるのか？という点についてよく確認し選ぶようにしてください。

不動産を売却する価格について、債権者である金融機関の同意が必要となります。また契約する際に保証人がついている場合も保証人の同意が必要です。金融機関や保証人の同意が得られない場合、任意売却を行うことはできません。

住宅ローンの返済が滞ってしまった場合、金融機関は法的手続きである「競売」を行い融資した金額の回収を行います。
競売は一旦債権者が申し立てると、自動的に手続きが進み強制的に不動産の売却を行います。任意売却は、この競売が完了するまでに完了させる必要があり、時間的な制限があります。もし間に合わない場合には競売での強制売却が行われます。

このように時間的な制約と専門的な知識やノウハウが必要な任意売却を行う場合、経験が浅い会社ですと、段取りの不手際、債権者である金融機関と交渉を行う能力の不足、買主様への説明スキルの不足など様々な危険性があり、結果的に任意売却が失敗してしまう可能性があります。任意売却は限られた時間の中で成立させる必要があるので、経験が豊富で処理能力が高い専門機関に依頼する必要があります。

競売で不動産を安く売却して多くの残債が残るよりも任意売却の方がメリットは大きいと言えます。任意売却の場合は競売よりも不動産の売却できる金額が高いことが多く、住宅ローンの残債を全額払えた事例もあります。また、住宅ローンの残債が残ったとしても、毎月の返済額を抑えるなど様々な交渉を金融機関と行うことが可能であり、交渉次第ではそれらを実現することができます。

任意売却を成功させるために大切なことは、信頼できる専門機関と協力しご自身の現在の状況を正確に把握し今後の対応をどのように行っていくか、しっかりと打合せを行い限られた時間の中で段取り良く物事を進める必要があります。

1日でも早くご相談ください

「住宅ローンを払えなくなってしまい何から手をつけたら良いのか分からなくなってしまっている方」「諦めて自己破産しようと考えている方」「どうして良いか分からず誰にも相談できていない方」「そのような方がお知り合いにいらっしゃる方」は、すぐに「一般社団法人　町田・相模原　住宅ローン相談・救済支援協会」までご連絡・ご相談ください。1日でも早く行動することが任意売却を成功させるための第一歩となります。