任意売却と競売の違い

比較項目	任意売却	競売
物件売却価格	ほぼ市場価格	市場価格の７０％前後
残債	債権者との相談が可能	債権者は一括返済を求める場合が多い
手元に資金が残る可能性	残る可能性が高い	殆ど無い
プライバシー	一般の不動産売買とほぼ同じなので近隣住人に知られる可能性はかなり低い	インターネット（BIT）や新聞を近隣の住人が見る可能性がある
立退き	しなくて良い方法もある	強制退去
売却までの期間	短い（約３ヶ月）	長い（６ヶ月以上）
諸費用の負担	一般の不動産売却と同じなのに不動産売却代金から充当出来る可能性が高い	不動産売却代金から充当出来ますが、引っ越し代金は持ち出しが発生する可能性が高い
引越し	物件購入者と相談して引越し時期を調整する事も可能	競売落札者から早期退去を求められる

競売とは、金融機関が債務者から返済を受けらなくなった場合、債務者が所有する土地や建物などの不動産を裁判所の管理下で強制的に売却でき、その不動産売却代金から債務の支払いに当てる手続きの事をいいます。

金融機関の許可を得て不動産を売買することを「任意売却」といいます。それに対して金融機関が裁判所の許可を得て強制的に不動産を売却することを「競売」といいます。

任意売却の場合は、通常の不動産売買とほぼ同じなので、周辺の不動産物件の市場相場に近い金額で売却することができます。競売の場合では条件が異なり市場相場の5割～6割ほどで売却されることも少なくありません。そのため、債権者である金融機関は少しでも高値で売却し融資した金額を回収できる可能性が高い任意売却に応じる場合が多くあります。

任意売却を利用するのが絶対的に有利

金融機関の許可を得ることができ任意売却が選択肢にあるのであれば、競売を選択するよりもおすすめです。しかし、全ての不動産会社で任意売却を取り扱っている訳ではありません。任意売却は金融機関との交渉もあり専門的な知識や経験が必要です。任意売却の実績が豊富な不動産会社や任意売却専門の会社に依頼することが良いでしょう。
経験の浅い会社に依頼してしまうと金融機関との交渉などで不利になってしまうことが少なくありません。また、引越し費用についての交渉や残った残債についての交渉など債務者にとっては切実な問題に関わってくることですので信頼できる会社を慎重に選択する必要があります。しかも、競売のタイムリミットまで時間があまりありませんので1日でも早く行動することを心がけてください。

競売終了後に残るローンの返済

任意売却の場合、「任意売却終了後の返済条件」「債務者の収支状況」「要望」など様々なことを考慮して債権者と交渉を行うことが可能です。競売の場合では、債権者も競売後の債務者の収支状況を考慮して返済額の提示を行いますが、その金額は任意売却と比較すると遥かに高額で3倍～5倍近くの差がでるケースも少なくありません。

なぜ競売は安くなってしまうのか

競売の場合、その不動産物件を購入する側にとって多くのリスクが伴います。競売物件の購入は、自己判断・自己責任が原則となります。不動産の購入後のケアも受けることはできません。さらに競売物件については内覧することができません。外観は実際に現地に足を運び確認することができますが、物件内部については直接確認することができません。数ヶ月前に撮影された数枚の競売事件記録写真のみで購入を判断することになりますので、不安要素はとても大きいといえます。

また、一番大きな要素として競売の場合、住宅ローンの利用が一般売買の住宅ローンに比べ難しく現実的ではありません。購入資金は自己資金でまかなうなど、自身で工面する必要があります。さらに入札時に売却基準価額の２割の保証金も必要になります。
このように物件の購入者側にとって多くのリスクを伴い敬遠されがちな競売物件ですので、一般の市場価格よりかなり安く販売価格が設定されてしまうのです。

任意売却の場合は住宅ローンを利用できるため物件価格についてもほぼ市場相場に近いものが設定できます。ただし早急に売却したい場合は物件の価格設定を相場より下げて設定されることも少なくありません。それでも競売の場合の価格設定と比較するとかなり高く設定できると言えるでしょう。物件価格を市場相場より安くすることで購入者側にメリットを持たせ早期売却を実現させることができるのです。
また競売の場合とは異なり物件内部についても内覧を行うことができるので安心して購入していただくことが可能となります。競売で安く売却してしまうのではなく、任意売却で出来るだけ高く不動産物件を売却することで住宅ローンの残債を減らすことができたり、引越し費用を捻出することができたりします。

物件を売却する際には「任意売却」と「競売」のどちら選択するかで大きく未来が変わってきます。もし、あなたが任意売却を選択できる状況にあるのであれば「一般社団法人　町田・相模原　住宅ローン相談・救済支援協会」にご相談ください。